AIの劇的な進歩は、社会やビジネスの在り方を大きく変えようとしている。もはや、AIが持つ可能性を理解しておかなければ、時代の趨勢を読むことはできないと言っても過言ではない。
単に「AIがブームだから」と浮足立っているだけでは、AIの本質は見えてこない。AIという言葉が市民権を得た今こそ、地に足を付けてAIに真摯に向き合っていく姿勢が求められる。
その重要性をより多くの経営者やビジネスパースンに認識してもらうために、本ブログでは日本を代表する人工知能研究者にAIの現在地や未来像を語ってもらう企画を立ち上げた。
子どもの頃に鉄腕アトムやドラえもんに憧れ、いつの日か自分も同じようなロボットを作りたいとの夢を実現したいとAIの世界に飛び込んできた研究者は意外と多い。東京大学大学院情報理工学系研究科・電子情報学専攻 教授の伊庭 斉志氏もその一人だ。
大学在学中にAIの可能性に着目。以来、40年近くにわたり研究を続けている。並行して、人工生命の探求にも精力的に取り組んでおり、それらを応用した研究領域は進化計算、遺伝的プログラミング、バイオインフォマティクス、 人工知能の基盤、 機械学習、ロボティクスなどと実に幅広い。そんな伊庭氏に、弊社代表の山本が話を伺った。
前編では、進化計算や群知能の考え方などについて聞いた。
後編では、AIの分野において日本が今後世界とどう戦っていくべきか、そのためには何が重要となるかなどを聞いた。