Story
図面に残るのは、
「R2」という数字だけ。
ある部品に、7年のあいだに何があったのか。順にたどると、図面に残らない「なぜ」がどこにあるのかが見えてきます。
-
Rev.A
量産開始
角は R0.5。図面には形と寸法、公差が記され、量産が始まりました。
図面に残ったもの形・寸法・公差・材質
-
Rev.B
振動試験で、角から割れ
試験の途中で、角から割れが見つかりました。原因が角への応力の集中だと突き止めたのは、当時担当していたベテランです。
残った記録不具合報告 No.0213
-
Rev.C
角を R2 に広げる
対策として、角を R2 に広げました。図面に残ったのは「R2」という数字だけ。なぜ R2 なのかは、記録とベテランの頭の中にあります。
残った記録設計変更通知 DCN-0412
-
相談
「軽くしたい。R を戻してもいい?」
軽量化を任された若手が、図面を見て考えます。経緯を知るベテランは、別のラインの立ち上げで手が離せません。そこで、AIエキスパートに聞きました。
設計エキスパートAIエキスパート|機構設計課の設計レビュー
BRACKET-A12 を軽くしたいので、角のRを R2 から R1 に変えてもいいですか?
R2は、Rev.Bで振動試験の途中に角から割れが出たことへの対策として、2022年に変更した形です。R1にすると、割れが出た形に近づきます。
判断軸に照らした確認点
- 過去の不具合Rev.Bの割れは、角への応力の集中が原因と記録されています。Rを小さくする前に、同じ条件で確かめる必要があります。
- 機能・強度変更するなら、Rev.Bと同じ振動試験の条件で、割れが出ないことを確かめましょう。
- 規格・社内基準軽くするために肉を薄くする場合は、設計基準書 4.2 の肉厚の下限を下回らないようにします。
参照:不具合報告 No.0213/設計変更通知 DCN-0412/設計基準書 4.2
登録された判断軸と資料にもとづく確認点です。設計変更の決定は、設計の責任者が行います。
※BRACKET-A12 と記録の番号は架空の例です。どの項目をどの順で返すかは、技術部門と相談して決めます。